purope★papiro★cantabile 2004年3月6日

 
 世の中でもっとも厄介なのは「悪意」だと思う。

 人は基本的に卑怯なものであり、
 それは動物だから当然で、
 他人のことよりも自分のことを優先してしまうのは仕方がない。

 自分が死ぬほど空腹なのに、
 自分の捕まえたシマウマをライオンにあげるチーターなんていない。
 
 自分がいちばん幸せであろうとするなんていうのは、
 生き物なら当然だ。

 人間が作り出した社会なんてのは、
 生き物そのもののそういう特性をまぎらわす、
 何の効果も持っちゃいない。

 卑怯な部分なんて隠せない。
 
 学校で教えるところの道徳っていうのは、
 卑怯でなくあれ、
 というものではない。

 そんなの不可能だから。

 そうではなく、
 悪意を持たないであれ、
 と教えるものなんだと思う。
 
 そう、悪意は持っちゃいけない。

 悪意だけはいけません。
 動物は悪意を持ちません。

 僕らは相変わらず「しあわせ」ってなんなのか定義ができていないのに、
 基盤みたいなものだけが先走って出来上がって(あまつさえ宇宙開発なんてして)、
 そして結果的にそれが悪意なんてものを生み出している。

 馬鹿みたい。
 
 そしてその悪意で傷つけられる人間がいる。

 本当に馬鹿みたいだ。

 不毛でナンセンスで馬鹿みたいだ。