うわのそら 2008年3月14日

 
 気持ちの焦点があわなくなり、家に帰ってからずっと、
 現時点の自分にとって無関係の内容が書かれている文章ばかりを
 手当たりしだい探して読んでいたら、
 そのうち落ち着いてきた。

 暗闇であらゆる方向に石を投げ、
 その音の反響で自分と周囲との距離を認識するみたいに、
 あちらこちらへ意識を投げつけては、
 戻ってくるものをかき集め、
 自分の位置を確認する。

 これが心をほぐすための作業。

 別の日には、自分に関係のある内容だけに意識をどっぷり浸して、
 自意識をふやかす作業の必要なこともある。

 どちらも、心を凝り固まらせないための、とても重要な作業。

 今日ほぐしたから、明日はふやかそうかな。
 ほぐしてもふやかしても、
 外に出ればあっという間にぎくしゃく固まってくるんだけど、
 だからこそ日々繰り返し繰り返し、
 しぶとく頑なに繰り返し繰り返し。